3学期始業式講話

全校のみなさん、あけましておめでとうございます

新年を迎え1週間が過ぎ、今日は3学期の始業式です。

年末年始を含んだ冬休み、みなさんはどのように過ごしたでしょうか。

今年は社会全体が自粛モードで、まだ初詣にも行っていない人も多いのではないでしょうか。そういう私も今年はまだどこにもお参りに行っていません。

 

ところで初詣と言えば、今年1年の運勢を占うために、よく「おみくじ」を引くことがありますね。

誰もが縁起の良い『大吉』を引き当てたいと思いながら引くに違いありません。実は、私は3年前に引いたのが『大凶』でした。正月から『大凶』を引くなんて・・・と落胆しがちなところですが、めったに出ない『大凶』が出るということは、これは逆にいい巡り合わせを暗示しているのかもしれないと考え直しました。今がどん底なら、これからはもう上昇するしかない、こんなうれしいことはないと考えてみました。おみくじの結果そのもので一喜一憂するのもいいのですが、要はその人の気持ちの持ち方一つで、明日から前向きになれると思うのです。ちなみに『大凶』を引いたその1年は、公私ともに大きな災いもなく、無事に1年が過ぎました。

 

コロナ感染で翻弄された2020年は、『大吉』とは程遠い、まさに異例の1年でした。年末も東京では1日で1300人を越える感染者の数が報道されていました。これから数がやがて減っていくのか、それともまだまだ増えていくのか、不安な思いは誰もが感じていることと思います。ただ、今が『大凶』と捉えれば、あとは吉に向かっていくだけ、そんな思いを抱きつつ、新年のスタートが切れればと願っています。これからも決して気を緩めることなく、今までやってきた感染防止を当たり前のように継続していくことを心がけていきましょう。

 

明るいニュースが少なかったこの2週間ですが、1月2・3日と行われた箱根駅伝、テレビで観た人も多いと思います。私は久しぶりに胸が高まるような思いで思わずテレビ中継を観てしまいました。

優勝候補と言われていた有力校が軒並み出遅れる中、予想以上に力を発揮してトップをひた走るチーム、最終中継地点では2位と3分以上の差があり、優勝は間違いないと誰もが思っていました。それがあれよあれよという間に差が縮まり、ゴール1km前で逆転、毎年のようにこの箱根駅伝を観ていますが、これほどの大逆転はそうはありません。

私がこの「大逆転」で特に印象に残ったことを2つ挙げます。

  • 2位で襷をもらった最終ランナー、トップを走る選手の姿・形は一切見えなかったのに、黙々と自己ベストを目指して力走するうちに、トップの背中がうっすら見え始め、そこから更にギアが入って、どんどん差が縮まっていったように見えました。人間は漠然とした目標より、「具体的な目標が視界に入った時に今まで以上の力が身体に宿るものだ」と改めて感じました。
  • 仲間が頑張ってトップを独走して襷をもらった最終ランナー、どれだけのプレッシャーを感じながら走ったことでしょう。おそらく違う順位で襷をもらっていたら、もっと自分らしい走りができたに違いありません。決して油断したわけでも突然の体調不良に襲われたわけでもないのに、普段通りの力が発揮できないもどかしさ・・・期待の大きさと重圧に押しつぶされたということでしょうか。どんなときにも平常心で戦うことがいかに難しいかを教えてくれた気がします。彼はまだ3年生で来年もチャンスがあるようです。ぜひ、リベンジして来年は1年前の自分に打ち勝ってほしいと願わずにはいられません。

 

箱根駅伝を中学3年間に例えれば、1年生はこれから険しい山登りに徐々に向かい始める所、2年生は箱根の山を下り始め、今までの頑張りの真価が問われる重要区間にさしかかった所、3年生に至っては、まさにこれから勝負を決する最終区間となり、やがてゴールテープもうっすら見え始めることでしょう。

 

短い3学期ですが、それぞれが自己ベストを目指して必死に走り抜く、ぜひそんな3学期にしてください。

以上で始業式の話を終わります。